IMGP9806「行ったつもりツアー」はまたもや鳥海山です。はずせないツアーがあるのです。

それは “ サンセットツアー ” 。
鉾立登山口やブルーラインから笙ケ岳方面に登り、夕日沈む日本海に向かって滑るツアーです。

技術的・体力的にではなく、ある意味難しいツアーです。何と言ってもお天気。晴天の日はあっても、鮮やかな夕焼けになる日は滅多にありません。

IMGP9702夕焼けが期待できそうな日は逃しません。単にお天気が夕方までもつ日ではなく、くっきりはっきりとした夕日が海に落ちそうな日です。
今日だ! となれば笙ケ岳の稜線でサンセットタイムまで待ちます。あるいは午前中はゆっくりして、午後から重役出勤で山に入ります。

5月とは言え陽が傾き始めると寒いです。薄手のダウンジャケットを着込んでその時を待ちます。

新山や文殊岳などのピークが焼けてきました。

IMGP9714海の方もいい感じになってきました。
最高の夕焼けになりそうですよ。

実はこの日は文殊岳に行ってきた日です。文殊岳に行くだけでも充実のツアーなのに、さらにサンセットスキーもできるなんて・・・
こんなに長い時間山の中にいることはめったにありません。





IMGP9717 - コピーさぁ、出発!
日本海と夕日(と飛島)に向かって滑りだします。










IMGP9726飛島のすぐ右の海面に夕日が映っています。
飛島がわかりますか? 本当に空を飛んでいるみたいです。
この日は夕日がすばらしいだけでなく、雲海も出現。

神々しい景色です。






IMGP9755海から近く(鳥海山でも日本海側に面した場所だけです)、春になっても残雪たっぷりの山で(厳冬期にこんな時間まで山にいたら死んでしまいます)、滑り終わりにすぐ道路に出て帰れる(最後に暗い中を歩かなくて済みます)。
そういう山でないとできないツアーです。

本当ならとっくに下山していなければならない時間。なのでこの時間からの怪我などのアクシデントは絶対に避けなければならないし、素早く行動できなければなりません。これもこのツアーの難しさです。慎重に行動します。

IMGP9838こんな景色の中で滑れるなんて・・・。
神様にお礼を言いたくなります。











IMGP9771どんどん日が落ちていきます。
美しすぎて言葉が出ない。

鳥海山と日本海と夕日と私。
自然と一体になっている感覚に浸ります。








IMGP9721いつまでもこの景色の中にいたいです。

でも、完全に日が暮れてしまう前に滑り終えなくてはなりません。

夢の時間は短いです。だから余計に憧れるのかも。
この一瞬を心に刻みます。





IMGP8983おまけです。
鳥海山ツアーの “ プランB ” のお話です。

海からすぐに聳え立つ独立峰・鳥海山は、気象がとても荒い山です。5月になっても雪が降るし、雨が多くて強風が吹き荒れることがよくあります。山に近寄ることさえできない日があるのです。また、あの大きな斜面ではガスに巻かれて視界がない時に滑るのはとても危ないです。
そんな日に無理は禁物。鳥海山の山麓や近くの街を巡るプランBに切り替えます。

IMGP9026さっきの写真は鳥海山の伏流水が湧きだして滝となっている「元滝」です。ここに来るとマイナスイオンに包まれてとても癒されます。離れがたい場所です。車ですぐ近くまで行けるので、下山が早かった時にも行くことがあります。

このぶなの巨木は中島台の「あがりこ大王」。
似たような奇形ぶながたくさんある神秘的な森です。山上は悪天候でダメだけど山麓は歩ける・・。そんな日はこの森でハイキングをします。森のさらに奥には鳥海山の湧き水の泉や湿原もあります。熊出没注意!

IMGP6203絶望的なお天気でツアーできないこと確定の日は、男鹿半島まで遠出します。
目的はなまはげ伝承館。古民家でのなまはげ体験ができます。私たちお客さんはその家の家族と言う設定で、家になまはげがやってきます。「泣く子はいねがぁ、悪い子はいねがぁ」と子供を嚇すのですが、子供がいない時は「悪い嫁」を怒る設定に変わります。すごいアドリブ。
何人も女性のお客さんがいるのに、なぜかいつも私が「悪い嫁」役になまはげから指名され、「婆様に家事をさせて」とか「旦那がいない時に遊び歩いて」などと怒られます。なぜいつも私? 悪い嫁感を醸し出しているのでしょうか。悪い嫁の名前はいつも「美津子」です。
なまはげの衣装を着て撮影できるコーナーもあります。これはスタッフ山田と私。シャイな山田はどうもノリが悪いです。「悪いテレマーカーはいねがぁっ!」


IMGP8538酒田の街に出かけることもあります。

これは山居倉庫。米どころ庄内のシンボルです。
船で搬入・出荷しやすいように川べりに建てられた米保管倉庫。背の高いケヤキの木で夏の日差しから守られています。今では観光施設ですが、一部はまだ現役米倉庫です。
5月の山居倉庫はケヤキの新緑が美しいです。




IMGP8552酒田でのランチは “ ワンタンメン ” 。
月山のご当地グルメと言えば “ 肉そば ” でしたが(行ったつもりツアーの月山を見てくださいね)、酒田と言えばワンタンメンです。
トビウオ=あごでだしをとった澄んだ醤油味のスープと各店の自家製麺とワンタン。
あっさり優しい滋味あふれるお味です。トロトロワンタンもたまりません。
私にとってラーメンはあってもなくてもいい食べ物でしたが、酒田のワンタンメンを食べて変わりました。今では私の中でラーメン=酒田のワンタンメンです。酒田に住みたい。


IMGP9178鳥海山ではスキーツアーを二回転行いますが、その合間にオプションツアーも組んでいます。
鳥海山を取り巻く全ての景色が美しい5月。新緑いっぱいの山麓にも訪れたい場所がたくさんあります。豊富な湧き水を巡ったり、ぶなの森を歩いたり、歴史ある街や集落を訪ねたりする「鳥海山ぶらり旅」です。

ここは遊佐の “ 牛渡川 ” 。鳥海山の溶岩流の末端から湧き水が川になっています。その透明度ったら! こんなきれいな川を見たことがありません。初夏に白い花を咲かせる梅花藻が流れに揺れています。

IMGP9220これは “ 丸池様 ” です。この池の水は100%鳥海山の湧き水。引き込まれそうな色をしています。
周囲の森も人の手が全く加わっていない原始林で、神秘の泉と言われています。

それにしても丸池「様」とは変わった呼び名です。ここ、私はちょっとぞくっとします。いろいろな意味で。




IMGP9226曹洞宗のお寺・永泉寺です。
苔むした参道と朱色の山門が何とも絵になります。雨の日はより一層雰囲気が出ます。
この永泉寺にも湧き水があります。

遊佐町にはこれら郊外だけではなく、集落内の各おうちの庭や玄関先、畑の脇にも湧き水があって代々の生活に使われてきたようです。それぞれに名前が付いた集落の湧き水は徒歩で回れます。



IMGP9387これは冬師(とうじ)湿原です。大昔、鳥海山が山体崩壊した際の岩なだれが、氷河のモレーンのような小山とその間の窪地の湿原を作り出しました。
静かな美しい場所ですが、大昔の荒ぶる鳥海山を知ることができます。

それにしてもこんなところまで届く山体崩壊って・・・。




IMG_8280鳥海山はどこから眺めても違う形がそれぞれに美しいです。ですが、じっと静かに美しくしていて実は人間の存在など何とも思っていない・・・、いざと言う時には情け容赦なく大暴れする・・・ような非情さを感じます。ほかの山よりずっと強く。
鳥海山のことが大好きなのにとても恐ろしいのです。
この恐ろしさがかえって鳥海山に惹かれる理由なのかもしれません。

あ、こんな書き方したら鳥海山ツアーに参加してもらえなくなるかしら。